声域は二つに分けて考える
声域というと、ふつうは出せるいちばん低い音からいちばん高い音までを思い浮かべます。けれども歌で実際に大切なのは、その中で喉に無理なく、よい声で長く出せる範囲です。限界まで絞り出してやっと届く音は、一度は出せても曲の中で何度も繰り返すのは難しいものです。だから声域を測るときは最高音と最低音だけでなく、楽に出せる範囲を別に書いておくのがおすすめです。この二つの範囲の差がわかれば、どの曲が自分に合うかをずっと正確に判断できます。
自分の声域がわかると、曲選びやキー調整がぐっと楽になります。測る順番、音名の読み方、最高音より大切な楽な音域、キーの合わせ方をまとめました。
声域というと、ふつうは出せるいちばん低い音からいちばん高い音までを思い浮かべます。けれども歌で実際に大切なのは、その中で喉に無理なく、よい声で長く出せる範囲です。限界まで絞り出してやっと届く音は、一度は出せても曲の中で何度も繰り返すのは難しいものです。だから声域を測るときは最高音と最低音だけでなく、楽に出せる範囲を別に書いておくのがおすすめです。この二つの範囲の差がわかれば、どの曲が自分に合うかをずっと正確に判断できます。
声域を測るのに特別な道具はいりません。鍵盤楽器やスマートフォンの鍵盤アプリ、あるいは自分が出している音の高さをその場で表示するチューナーアプリがあれば十分です。喉がほぐれていない朝や、たくさん話した後は声域がふだんより狭く出るので、数分軽くハミングして喉をほぐしてから測ります。水を一杯飲んでおき、結果を書くメモもそばに置きます。一度測った値より、数日かけて二、三回測った値のほうが実際の声域に近くなります。
高い音から試すと喉に力が入り、結果が乱れがちです。楽な中くらいの音から始めて下へ、次に上へと広げていく順番が安定します。「あ」のような楽な母音で、短く軽く声を出します。
声域はふつう、アルファベットの音名と数字で書きます。アルファベットはドレミファソラシにあたる音名で、数字は何番目のオクターブかを表します。ピアノの鍵盤の真ん中にあるド、つまり中央のドをC4と呼ぶ方式が広く使われていますが、一部の楽器や音楽ソフトは同じ音をC3と表示します。そのため、ほかの人の声域の話と比べるときは、基準が同じかをまず確かめる必要があります。カラオケやネット上でよく使われる独自の呼び方も人によって基準が違うことがあるので、鍵盤の上の実際の位置で確かめるのがいちばん確実です。
多くの人が最高音を伸ばすことに関心を持ちますが、曲が歌いやすいかどうかは、一度だけ出てくる最高音より、曲の大部分がとどまる高さで決まります。最高音が自分の声域に入っていても、曲全体が楽な範囲より高いところにかかっていれば、すぐに喉が疲れます。反対に最高音が少し高くても、一、二度かすめるだけの曲は意外と歌えます。曲を選ぶときは、いちばん高い音と一緒に、サビのように長くとどまる部分の高さも見る習慣をつけると、失敗が減ります。
ソプラノ、アルト、テノール、バリトン、バスといった声種の名前はおおよその音域を表す言葉ですが、音域だけで決まるわけではありません。声の音色、声が切り替わる地点、いちばん楽に響く高さも合わせて考えます。そのため、音域表一つで自分の声種を決めつけるより、参考として見るほうがよいでしょう。同じ声種の中でも人によって楽な範囲は違い、練習とともに変わることもあります。合唱団やレッスンのように正確な分類が必要なときは、指導者に直接聞いてもらうのがいちばん確かです。
好きな曲が自分の声域に合わないからといって、あきらめる必要はありません。曲全体の高さを半音単位で上げ下げするキー調整をすれば、たいていの曲は自分の範囲に移せます。性別の違う歌手の曲は、数半音ずつ調整しないと合わないことがよくあります。
声域はその日の体調、時間帯、睡眠、疲れによって変わります。風邪をひいたときや声がかれたときに測った値は実際より狭く出ますし、地道な練習で楽な範囲が少しずつ広がることもあります。年齢とともに声が変わるのも自然なことです。ですから一度の結果にとらわれず、数か月に一度測り直せば十分です。声域を広げようとして、痛みがあるのに高い音を張り上げ続けるのは避けましょう。声のかれや痛みが長く続くなら、耳鼻咽喉科で診てもらうのがよいでしょう。
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